こんにちは院長の河合です。今年も残すところあと僅かになりましたがいかがお過ごしでしょうか？
今年最後のデンタル通信は、『歯の根の治療』についてお話してみたいと思います。
むし歯が大きくなり、歯の内側の神経まで細菌感染が進行してしまうと歯がズキズキ痛くなったり、顔が腫れたりする症状が出ます。これを治療せず放置すると細菌によって歯の内部や歯を支える歯槽骨まで溶かされてしまい、抜歯をすることになってしまいます。根の治療とはこのように感染が根管歯髄や根尖周囲にまで及んでしまった場合に歯を残すための治療法です。
歯を残す治療の中で、特に重要なのは根の治療と歯周病の治療といわれております。では、なぜ根の治療は重要なのでしょうか？？
これらは歯科治療におけるいわば『基礎工事』にあたり、歯の寿命に直結する大変重要な治療だからです。根の治療がしっかり施術されていないと、その上にどんな高価な被せものを入れても再治療や歯を失ってしまうことになってしまうからです。
その一方、下図のように根管は非常に複雑な形態をしている場合も多く、治療に技術差が生じやすかったり、目に見える所ではないため患者さんには治療の質がどうなのか分かりにくい部分でもあります。
上に自費のより綺麗な歯を入れる方、通常の保険の歯を入れる方、患者さんによって価値観は異なります。しかし基礎工事には差があってはいけないと私は考えています。
当院で行っている根の治療の特徴についてご紹介します。
１、Ni-Ti（ニッケルチタン）製超弾性ファイルの使用
Ni-Tiファイルはチタン合金の超弾性により歯の根の彎曲に合わせて、本来の根管形態を破壊することなく、従来のステンレスファイルと比較してより精度の高い根管治療が可能です。
２、トライオートZX２を採用
Ni-Tiファイルの特性を十分に引き出し根管治療ができる歯科用電動式ハンドピースです。穿通、グライドパス、根管拡大、形成まで行うことができるだけでなく負荷に応じて逆回転することによりファイルの破折も防止してくれます。
３、歯科用CTによる正確な診査診断と拡大鏡を用いた精密治療
根管は複雑に枝分かれしていたり曲がりくねっています。複雑な形態をした根管を隅々まで清掃する必要があるのに、従来のレントゲンだけではこれらを正確に把握することは非常に困難です。CTによる立体的な３次元画像を確認することで、従来より飛躍的に精度の高い診査診断を行うことが可能になりました。また、拡大鏡により肉眼の数倍の精度で通常では目に見えない細かい部分まで治療を行うことができます。
４、緊密な根管充填システム
根管内を十分に消毒した後、最終的なお薬を根管内に詰めます。再び細菌が繁殖してしまわないように隙間なく緊密に根管充填を行うことが非常に重要です。
当院ではこれら精密な根の治療をすべて保険診療にて患者さんに提供しております。
先週、根の治療を行った症例です。
治療例①
治療例②
いずれの症例もむし歯が歯髄まで進行しており自発痛が生じている状態でした。
根の治療は２回で、その後保険の白い詰め物を行い、計３回で治療は終了となります。疼痛も消失し、曲がった根管内にも緊密に根管充填がされております。
最後に今月の出来事についてです。今月は毎年恒例となっておりますセレスタ札幌のガラポン抽選会に協賛したり、当院独自でも来院された患者さんたち全員にクリスマスプレゼントをお渡ししました。今年はスタッフ達の工夫で大人用、子供用、年配の方用で中身を変えてプレゼントを作成してくれましたが、皆さんとても喜んでくれた様子でした！
本日にて、今年の診療も無事に終えることができました。午後から院内の大掃除を行い（私はエアコン、カウンセリングルームなどを担当）
夜はスカイレストランRONDOさんにて忘年会を行いました！札幌の綺麗な夜景を見ながらおいしい料理をいただき、皆で仕事納めの解放感を味わいました笑。
来年も何卒宜しくお願い申し上げます。皆様お元気で良い年をお迎えください！
