こんにちは!院長の河合です😊 先月、当院でも使用しているノーベルバイオケア社のインプラントに新しい表面性状の「TiUltra」と、軟組織に接触するアバットメントの新表面性状「Xeal」が発売になりました。
インプラントがオッセオインテグレーション(骨との直接結合)を獲得するのに重要な要素の一つが表面性状ですが、これまでノーベルバイオケアが扱ってきたのが「TiUnite」と呼ばれるチタン表面を陽極酸化処理したものでした。TiUnite表面はフジツボ状になっており、内部のアンダーカットまで骨が入り込んでインテグレーションを獲得する論理でしたが、実際にはこのフジツボの奥まで骨がそれほど形成されず空間ができてしまい、一旦感染が生じてしまうと、周囲炎が進行しやすく長期のフォローアップが大変になってしまうケースが散見されるようになりました。かつてインプラントシェア1位を誇っていた同社がライバルのストローマン社に抜かれたのもこれが大きな原因でした。
表面性状では後れをとってしまったノーベルですが、それ以外ではインプラントメーカーのパイオニアとして次々に新技術を開発している点は評価できます。
よって、今回ノーベルが「TiUnite」のプライドを捨てて表面性状を改良したことは非常に良かったと思います。
私見ですが、インプラントネック周囲にはあのフジツボが無くなり不要な表面粗さを排除し、周囲炎が進行しにくい形状に改良されたと思われます。また、超親水サーフェイスに改良されたことで骨形成の足掛かりとなる血液に含まれるタンパク質や生体分子の吸着性が増し、より早く強固なオッセオインテグレーションの獲得が期待できるのではないでしょうか。少なくともかつてのTiUniteよりはかなり良さそうです。
今月、早速改良されたインプラントを用いて即時荷重(インプラント埋入手術と同時に仮の上部構造を装着)した患者さんです。
1、初診の状態です。右下に残存していた銀歯の乳歯が保存不可となってしまい、永久歯先欠にてインプラントを入れたいとのことで来院されました。
2、乳歯の抜歯と嚢胞の摘出を行い、早期にインプラントを埋入する治療計画を立てました。
CT等による精査の結果、今回は骨の状態も良く、できるだけ早く歯を入れたいとのご希望もあった為、プランニングとガイド製作後、仮の上部構造を先に作製し即時荷重の計画を立てました。
3、手術用ガイドを装着しインプラントを埋入する部位にドリリングを行います。
4、インプラント体を埋入します。新しい表面性状のインプラントですが手術の術式はいつもと同様です。
5、埋入したインプラントに仮の上部構造をコンポジットレジンを用いて接着します。
6、咬合調整後、一旦外して周囲をキレイにトリミング。
7、CTにてインプラントも計画通り埋入されていることを確認します。
8、完成したプロビジョナルを装着して、この日は終わりです。
手術時間は30分程度、その後の上部構造作製も30分程かかります。
最終的なセラミックの歯が入るのは2~3ヶ月先になります。
以前より良い表面性状のインプラントになっていることは間違いないと思いますので、あとはしっかりメンテナンスを行って末永く使っていただきたいと思います。ファイナルが入るのが楽しみですね。
お疲れさまでした!
先月の話になりますが、無事に開院5周年を迎えることができました!!🌹
5年前の開院初日に来てくれた患者さん数名が今月も定期健診に来てくれていました。カルテ番号を見るとこれまで3000人以上の患者さんが来院してくださいました。本当にありがとうございます。
開院から殆どのスタッフ達が継続して勤務してくれている事も改めてありがたく感じます。
開院当初は、とにかく自分が頑張ってより良い技術や知識を習得し患者さんに提供すれば良いのだと思っていました。5年経って今振り返ると、実は私よりもスタッフ達の努力や勤務医の先生方、周囲の人々、患者さん達に助けられて今があるのだということに気づかされます。これからも今まで以上に地域の皆さんに親しまれ信頼される医院作りに皆で尽力してまいります!