こんにちは院長の河合です。猛暑の折、皆様如何お過ごしでしょうか?私が大学進学で札幌に来た25年前は8月でも夏らしい寒さでしたが、最近は本州と変わらないくらい暑いですね。
不幸にも前歯が虫歯などで抜歯になった場合、ブリッジなどにて補綴治療を行います。この際、抜歯になってしまった部位の組織が大きく欠損してしまい歯茎に大きな凹みができてしまうことがよくあります。何もせずこのままブリッジを作製してしまうと前歯が異常に長くなってしまい、審美的な障害だけでなくプラークが停滞してしまうなどの問題が生じます。今回のデンタル通信はこのような場合の治療について、症例を通してご紹介します。
①こちらの患者さんですが、「右上前歯のブリッジ脱離、長年歯茎の凹みが気になっており何とか治療できないか?」とのご相談で来院されました。ブリッジが土台ごと脱離し、右上2番目欠損部の歯茎が高さも幅も大きく欠損しており非常に長いポンテイックが入っていました。
②CTにて骨の吸収状態を確認。Seibertの欠損分類にてClassⅢ(歯槽堤の水平的かつ垂直的吸収)の状態で、硬組織と軟組織両方の増大が必要になります。
隣の歯の根の治療(歯根端切除)が必要で、これと同時に骨補填材とメンブレンにて硬組織の造成を行いました。
③次に軟組織の増大を行います。今回は上顎の奥(上顎結節)から上皮付きの結合組織を採取し欠損部位に移植しました。
④歯肉移植から2週後の状態です。術前と比較してかなりの厚みと高さを増大することができました。
⑤プロビジョナルを調整しながら欠損部の歯肉形態を整えていきます。これでもまだ反対側と比較すると歯間乳頭部の組織がやや不足しており、再度結合組織移植を提案させてもらいましたが、患者さんは審美的に満足されて再度の外科処置は望まなかったため、このまま補綴物を作製することとなりました。
⑥最終補綴物装着時の状態です。
⑦治療前と治療終了から1年後の比較です。歯肉の状態は安定しています。
費用:歯肉移植55,000円+プロビジョナル3,300円×5本+オールセラミック110,000円×5本(税込)
治療期間:約10カ月
このように歯肉の形態異常を改善する治療を歯周形成外科(プラスティックサージェリー)と言います。特に前歯の治療の際は、ただ綺麗な歯(ホワイト)を入れればよいという訳では無く、歯肉軟組織(ピンク)と歯間乳頭部(ブラック)の審美性を達成することが大変重要です。
先日、数年ぶりにデンタルショーに行ってきました!
会場近くのホテルで鉄板焼きランチ。
フェイススキャナーなど新しい器材たくさん見れました。新しい制服もゲット!!
今年の夏も楽しくサッカーできました!若者たちの気遣いのおかげで笑。
2年ぶりに地元宮城に帰省しました。震災でだいぶ変わりましたが美しい故郷の景色。
先月は、学会発表も行い、論文も一本執筆しました。
今後も勉強するだけでなく積極的に学会発表など行っていきたいと思います!!