こんにちは院長の河合です。前歯を治療する時など、せっかくならきれいな歯にしたいなぁと考えている方も多いのではないでしょうか？
現在、最も審美的で長持ちする歯の材料は『オールセラミック』です。オールセラミック治療とは金属やプラスチックを使わずにセラミックだけで被せものや詰め物を行う方法で、天然歯のような透明感や審美性を再現することができます。
私も含め、歯科に勤務している人が治療するときはオールセラミックで治療します。それだけ良い材料なのです。セラミックは口腔内の過酷な環境下でも非常に安定な材料で変色や劣化することもなく、体にとても優しい材料です。今回はオールセラミックの特徴、治療手順などについてお話したいと思います。ぜひ参考にしてみて下さい。
≪ オールセラミックの特徴 ≫
- 透明感のある自然な歯にできる
- むし歯になりにくい（私個人的にはプラークが付着しにくい所が非常に気に入っています）
- 体にやさしい材料で生体内で安定
- 精度が高く、丈夫で長持ち
- 金属を使用しないので歯茎が黒くならず金属アレルギーの心配がない
などがあげられます。参考に当院での実際の治療例を見ながら治療手順をお話していきます。（許可を得て掲載）
１、初診時のお口の状態です。まずは患者さんの主訴をお伺いし、カウンセリングを行います。咬み合わせ、歯肉の状態、レントゲンなどを元に患者さんと十分にコミュニケーションをとる所から始まります。主訴は「前歯をきれいに治したい」とのことでした。
２、診査・診断を行い、問題点などを抽出し資料を作成して再度カウンセリングを行い治療の選択肢をご提案します（本症例では、右上の不適合な保険の差し歯、左上失活歯の破折、不揃いな歯茎、歯の色などの改善）。ご希望をよくお伺いし、話し合い、信頼関係を築いていくことが大切です。
３、型を採らせていただき、最終的な歯の形態の模型を作製しご提案します。
４、実際に治療開始です。本症例では不揃いな歯茎部分の歯周治療と天然歯のホワイトニング、前歯２本のプロビジョナルレストレーション（仮歯のこと）の作製を行いました。ここで患者さんと相談しながら何度か仮歯の修正を行います。最終的な歯の形態、咬み合わせなどを詰めていきます。
５、修正したプロビジョナルレストレーション（仮歯）の形態をCAD／CAMでスキャンし、最終的な歯を作製していきます。細かい色や透明感の調整は歯科技工士が立ち合い、患者さんに確認してもらいながら納得いくまで行います。最終補綴物を試適した状態です。審美性や機能性などをよく確認します。
６、完成したオールセラミックを装着した状態です。
このようにオールセラミックを用いることで非常に審美性の高い治療が可能になります。患者さんも大変喜んでおられました！
治療が終わり、患者さんから喜びの言葉をいただく時がやはり一番うれしいですね。
従来、保険のきかない前歯として『メタルボンド』という治療が主流でした。これは金属にセラミックを焼き付けた被せもので、精度や強度を補うために金属を使っていました。現在ではセラミックの加工技術や材料の進歩（以前はできなかったCAD/CAMによるジルコニアの加工など）により、ほとんどの症例でオールセラミックが適応可能となり、より審美性の高いオールセラミック治療が主流となってきております。
最後に費用ですが、当院では１本１００,０００円（税別／仮歯代など含む）で行っております。
本年も一年多くの患者さんにお越しいただき心よりお礼申し上げます。また技工所の皆様、各メーカー、業者の皆様など関わる全ての方々のおかげで本年も無事に終えることができました。深く感謝申し上げます。
年末年始の診療に関して、ご案内させていただきます。
２０１６年１２月２９日（木）午前中まで診療
２０１６年１２月３０日（金）～ ２０１７年１月３日（火） まで休診
２０１７年１月４日（水）から通常診療となります。
来る年が皆様にとって幸多い年となりますように。どうぞ良い年をお迎えください！
